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・経営陣が外国人で、重要な決定が外国で行われる可能性があることへの不満がでる

・民間企業であるため、重要資源は地元の責任ある公的機関が保有すべきだとの意見がでる

こうした要因から、RWE買収後のAWWへの民営化案を地域社会が撤回する例がでている(後述の『ニュース』参照)。

だがRWEテムズにも希望はある。少なくとも政府の支援を期待できることだ。水道企業は法的支援を確保するために激しいロビー活動を行っている。1990年代半ばから政治献金の額は3倍の150万ドルに増えた。米国政府からは、すでに税制上の優遇措置を受けた。現在は、財政赤字に悩む自治体に対し、連邦政府の補助金と融資を見返りに水道事業の民営化を義務づける法律の制定を議会に働きかけている。

RWEテムズは、AWWの子会社が事業を行う全26州の議会に対し、AWW買収を承認させるという困難な作業を予想より早く完了している。ただしカリフォルニア州では、20043月までは同州の労働者を解雇しないと約束し、ウェストバージニア州では、水道事業を所有または支配しないこと、州当局と規制機関に対する国際法上の訴追の権利を放棄すること、買収によって生じた余剰資金RWEの高格付けの恩恵などによる)は利用者に還元することを約束せざるをえなかった。

C. リスク回避

RWEとテムズ・ウォーターは合併する以前から、直面したリスクを回避するために、他の多国籍水道企業との合弁事業を行うという方針を何年かにわたってとってきた。その代表的な例は、ビベンディと組んだユナイテッド・ウォーターとベルリンワッサーである。この手法の成果は明暗半ばしている。たとえば1997年のアデレードでのユナイテッド・ウォーターの失態は、テムズの評判を落とした。下水処理プラントの保守を手抜きしたため、3カ月にわたって悪臭が同市を覆ったのである。これは「ビッグ・ポング」(大悪臭事件)として有名だ。ベルリンでは、ベルリンワッサーの国際事業をめぐってビベンディとの間で緊張が生じた。最近まで、国際業務にベルリンでのコンセッションの利益を回していたからだ(後述を参照)。

最近、RWEテムズは、自社や他の水道大手企業がかかわった各国の民営化で問題が多発したため、これに対応して新たな政治的リスク回避の戦略を打ち出した。民営化をめぐる問題としては、クランタン(マレーシア)でのテムズのコンセッション契約にかかわる問題、スエズがマニラとアトランタで起こした問題、ベクテルがボリビアのコチャバンバで起こした問題などがあり、いずれのケースでも最終的に企業が撤退している。このため第3回世界水フォーラム(京都)をはじめとする国際会議で、テムズは途上国などで批判が強い(したがってリスクが高い)民営化案件から手を引くと宣言した。テムズに限らず、最大手の国際的水道企業(スエズ、ビベンディ、SAUR)はすべて、途上国投資への慎重姿勢を強め、程度には差があるが投資を縮小しはじめるとともに、一方では保証の拡大を要求し、また欧

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